2005年08月24日
開高 健 著『私の釣魚大全』を読んで。その2
その2『まずミミズを釣ること』を読んで。
魚を釣る前に、まず、餌であるミミズを釣らねば。
子供のころ、釣りに行くには、家の前の畑を三叉で掘り起こし、
白桃の缶詰の空き缶に、土と一緒にミミズを入れ、
川に釣りに行ったものである。
文中では、
『日本では、ミミズが絶滅しつつある。
生餌の三傑、キジ、ゴカイ、アカムシが絶滅しつつある。』
とある。
確かに、田舎に行けばミミズはいるが、
街中でミミズを見ることは、非常に少ない。
釣りに行くには、釣具屋に行き、餌を買うのがごく当たり前である。
東京神田の餌屋を営む保刈老人との話。
この話がなかなかおもしろい。
ミミズを養殖する話。
ビニールでゴカイを作る話。(今で言うワームですな。)
ミミズをおびき出す話。
などなど。
その中でも、おもしろい話2つがあった。
『タコはラッキョウで釣れる。
クロダイはミカンで釣れる。
コイはイモで釣れる
ニシンの油をちょいと入れると爆発的効果が
生ずるのだそうである。あんまりコイがよく釣れるので
高潔な釣師の間ではタブーとされているが、...』
まじっすか!!
今度、チヌ用のポッパーにミカンの汁を塗ってみよう...
ヘラブナにトロロイモがよいとは聞いたことがあるが、
ニシンの油とは。初耳である。
『老人、或る日真剣に考えて、哲学を練る。・・・
・・・魚が食べるゴカイを餌にして魚を釣ったところで、
人間の知恵はどこにもないではないか。
釣はもともと人と魚の知恵くらべ、だましあいでは
なかったか。 マスを毛ばりで釣るのは、知恵である。
しかしゴカイでハゼを釣るのは敗北である。・・・』
お見事。まさに哲学。
確かに、バスを釣るのに、ミミズを使えば、よく釣れるだろう。
アメリカでは、ライブ・ベイト(生餌)を使ってバスを釣る
スタイルがあるらしいが、バス釣りでミミズを使っては、
釣れて当たり前という感がある。
しかし、ルアーを使えば、量、質ともに、えさ釣りを凌駕できる
可能性がルアーにはあると、信じる私である。
章の最後の一文が、いい。
『ラッキョウでタコを釣るなどという、まるで判じ物みたいな
発見を日本人はやってのけるのである。
釣の世界もナイロン・テグスにリール竿ばかりではあるまい。
地方をさぐればまだまだ古く懐かしい奇知や奇習が
あるに違いない。野を越え山を越えてそれを知りに出かけ、
試してみたいものである。
魚を釣る前にミミズを釣らなければならない時代だけれど、
きっと古い個性は今でも谷や磯にあるに違いない。』
確かに。
エギングの餌木も、昔から漁師が使っていた釣具である。
エギングの様なおもしろい釣りが、まだまだあるのかも知れない。
まずは、ラッキョウでタコでも釣ってみようか。
以上『まずミミズを釣ること』を読んで。
魚を釣る前に、まず、餌であるミミズを釣らねば。
子供のころ、釣りに行くには、家の前の畑を三叉で掘り起こし、
白桃の缶詰の空き缶に、土と一緒にミミズを入れ、
川に釣りに行ったものである。
文中では、
『日本では、ミミズが絶滅しつつある。
生餌の三傑、キジ、ゴカイ、アカムシが絶滅しつつある。』
とある。
確かに、田舎に行けばミミズはいるが、
街中でミミズを見ることは、非常に少ない。
釣りに行くには、釣具屋に行き、餌を買うのがごく当たり前である。
東京神田の餌屋を営む保刈老人との話。
この話がなかなかおもしろい。
ミミズを養殖する話。
ビニールでゴカイを作る話。(今で言うワームですな。)
ミミズをおびき出す話。
などなど。
その中でも、おもしろい話2つがあった。
『タコはラッキョウで釣れる。
クロダイはミカンで釣れる。
コイはイモで釣れる
ニシンの油をちょいと入れると爆発的効果が
生ずるのだそうである。あんまりコイがよく釣れるので
高潔な釣師の間ではタブーとされているが、...』
まじっすか!!
今度、チヌ用のポッパーにミカンの汁を塗ってみよう...
ヘラブナにトロロイモがよいとは聞いたことがあるが、
ニシンの油とは。初耳である。
『老人、或る日真剣に考えて、哲学を練る。・・・
・・・魚が食べるゴカイを餌にして魚を釣ったところで、
人間の知恵はどこにもないではないか。
釣はもともと人と魚の知恵くらべ、だましあいでは
なかったか。 マスを毛ばりで釣るのは、知恵である。
しかしゴカイでハゼを釣るのは敗北である。・・・』
お見事。まさに哲学。
確かに、バスを釣るのに、ミミズを使えば、よく釣れるだろう。
アメリカでは、ライブ・ベイト(生餌)を使ってバスを釣る
スタイルがあるらしいが、バス釣りでミミズを使っては、
釣れて当たり前という感がある。
しかし、ルアーを使えば、量、質ともに、えさ釣りを凌駕できる
可能性がルアーにはあると、信じる私である。
章の最後の一文が、いい。
『ラッキョウでタコを釣るなどという、まるで判じ物みたいな
発見を日本人はやってのけるのである。
釣の世界もナイロン・テグスにリール竿ばかりではあるまい。
地方をさぐればまだまだ古く懐かしい奇知や奇習が
あるに違いない。野を越え山を越えてそれを知りに出かけ、
試してみたいものである。
魚を釣る前にミミズを釣らなければならない時代だけれど、
きっと古い個性は今でも谷や磯にあるに違いない。』
確かに。
エギングの餌木も、昔から漁師が使っていた釣具である。
エギングの様なおもしろい釣りが、まだまだあるのかも知れない。
まずは、ラッキョウでタコでも釣ってみようか。
以上『まずミミズを釣ること』を読んで。
Posted by HANZO at 01:38│Comments(3)
│釣りキチの哲学
この記事へのコメント
はじめまして、EGGと申します。
以前から拝見してました。
チヌルアーでの大物ゲット、凄いですね!
私も、開高さん、大好きなんですよ。
釣り物から小説まで、全ての著書を読みました。
でも、hanzoさんが書かれているのを見ていると、殆どの良いお話を忘れていることに驚きを隠せません。
確かに読んでいた当時は、全ての文章にビリビリと感銘を受けていたはずなのに・・・(^^;)
多分、あまりに全ての文章が重く含蓄に溢れているので、麻痺しちゃったのかもしれないですね。
また、押入れから出してきて読み返そうかなあ・・と思いました。
開高にはまると、ホント読むの早くなっちゃいますよ!面白すぎますよ!絶対!
以前から拝見してました。
チヌルアーでの大物ゲット、凄いですね!
私も、開高さん、大好きなんですよ。
釣り物から小説まで、全ての著書を読みました。
でも、hanzoさんが書かれているのを見ていると、殆どの良いお話を忘れていることに驚きを隠せません。
確かに読んでいた当時は、全ての文章にビリビリと感銘を受けていたはずなのに・・・(^^;)
多分、あまりに全ての文章が重く含蓄に溢れているので、麻痺しちゃったのかもしれないですね。
また、押入れから出してきて読み返そうかなあ・・と思いました。
開高にはまると、ホント読むの早くなっちゃいますよ!面白すぎますよ!絶対!
Posted by EGG at 2005年08月24日 02:53
EGGさんはじめまして。
この本は、おもしろいですね。
釣り人にはたまりませんね。
私も、『HANZOの釣魚大全』が書けるぐらい
いろいろな釣りをしてみたいものです。
この本は、おもしろいですね。
釣り人にはたまりませんね。
私も、『HANZOの釣魚大全』が書けるぐらい
いろいろな釣りをしてみたいものです。
Posted by HANZO at 2005年08月24日 12:48
そうですよね!
色んな魚、デカイの珍しいの・・・何でも釣りたくなっちゃいますよ。
私は海外までの釣行はしないのですが、開口さんの本読んで、相当いい気分に浸っておりました(^^)
また、ありがたいお言葉を見つけたら教えてくださいね。
色んな魚、デカイの珍しいの・・・何でも釣りたくなっちゃいますよ。
私は海外までの釣行はしないのですが、開口さんの本読んで、相当いい気分に浸っておりました(^^)
また、ありがたいお言葉を見つけたら教えてくださいね。
Posted by EGG at 2005年08月25日 02:47
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